09/08/2026
【聖霊降臨節第12主日】《家族》
「家族」と聞くと、温かい食卓や安心できる居場所を思い浮かべる人がいる一方で、緊張や孤独、痛みを思い出す人もいます。家族は身近だからこそ支えにもなり、深く傷つけ合う関係にもなります。
エフェソ書は「互いに仕え合いなさい」と語ります。大切なのは、一方が他方を支配することではなく、互いを一人の人間として尊重することです。配偶者も子どもも、自分の所有物ではありません。愛とは、相手を自分の望む姿に変えることではなく、その人の声に耳を傾け、その命と尊厳を守ることです。
人々が子どもたちをイエスのもとへ連れて来たとき、弟子たちはそれを妨げました。しかしイエスは憤り、「子どもたちをわたしのところに来させなさい」と言って、子どもたちを抱き上げ、祝福されました。
弟子たちは遠ざけ、イエスは抱き寄せました。神の国は、力のある人だけのものではありません。小さくされ、声を聞かれずにいる人が迎えられるところです。
家族の良さは、外から整って見えるかどうかでは決まりません。最も弱い人が安心して「悲しい」「つらい」「嫌だ」と言えるかどうかが大切です。血のつながりだけで家族が完成するのではありません。互いの声を聞き、傷つけたときには謝り、何度でも関係を結び直す。その歩みの中で、私たちは少しずつ家族になっていくのです。
教会もまた、理想的な家庭を持つ人だけの場所ではありません。家族を失った人、家庭で傷ついた人、孤独を抱える人が妨げられず、安心して迎えられる共同体でありたいと願います。