10/11/2023
2023年9月23日(土) 「上医の信仰!」 LT(Loving Time)大平耕司
列王記上3章10 ~11節『主はソロモンのこの願いをお喜びになった。神はこう言われた。「あなたは自分のために長寿を求めず、富を求めず、また敵の命も求めることなく、訴えを正しく聞き分ける知恵を求めた。」』・・・ソロモンと言えば、大岡審きではありませんが、二人の遊女の子供争い裁判での審きが有名です。父ダビデの死後、その子ソロモンがイスラエル王国の王になりました。神は、ソロモンの父親ゆずりの信仰に応えて、このように言われました。「何事でも願うがよい。あなたに与えよう」(同5節)。それに対してソロモンは、「どうか、あなたの民を正しく審き、善と悪を判断することができるように、この僕に聞き分ける心をお与えください」(同9節)と応答しました。神は、その無欲と神の民への愛情をたいそうお喜びになり、冒頭の言葉を述べられると共に、このように続けられました。「・・今あなたに知恵に満ちた賢明な心を与える・・また、あなたの求めなかったもの、富と栄光も与える。・・あなたに長寿も恵もう」(同11~14節)。さて、神から与えられたソロモンの知恵について、先ほどの子供争いのお話です。二人の遊女が同じ家に住んでいて、同じ時期にお産をして二人に赤ちゃんがそれぞれ生まれました。片方の母親が就寝中にわが子に覆いかぶさり窒息死させてしまいました。それでその母親は、もう一人の母親が寝ている間に死んだわが子とすり替えてしまいました。そこで、すり替えられた母親がソロモンに訴え出たのです。もちろん両方とも、わが子だと言い張り決着がつきません。それで、ソロモンが剣でこの子を真っ二つにしてそれぞれに分けよと言い渡しました。そしたら、片方の母親が「王様、お願いです。この子を生かしたままこの人にあげてください。この子を絶対に殺さないでください」と言いました。もう片方の女は、「この子を私のものにも、この人のものにもしないで、割いて分けてください」と言ったのです。それを聞いて、ソロモンはその子を前者の女に渡しました。まさしく、大岡審きです。「王の下した裁きを聞いて、イスラエルの人々は皆、王を畏れ敬うようになった。神の知恵が王のうちにあって、正しい裁きを行うのを見たからである」(同28節)とあります。ソロモン王は、ダビデ王のあとのイスラエル王国を継いで、40年あまり国を治めました。エジプト王の娘との政略結婚で国境を固め、父ダビデが戦いに明け暮れて築き上げた領土の内部を整備していきました。その主たるものが大規模な建設事業でした。エルサレムの防備を強化し、神殿や中央政庁、神殿の建設を進めました。なかでも、父ダビデの代からの念願であるエルサレムの神殿は贅沢を極めました。奥行50m、幅25m、高さ15mの神殿が、すべて純金で覆われていました。完成までには約7年半の歳月が費やされました。ソロモンはまた、全国に「倉庫の町」と「戦車の町」及び「騎兵の町」を設置して軍備も整えました。これらの町には合わせて1,400台の戦車と1万2000の騎兵を擁していました。シナイ半島とアラビアの間のアカバ湾の近くには製銅所と造船所も造っています。造船所で造られた船は、軍事目的に加え、アフリカとの通商にも用いられました。また、徴税目的で北イスラエルを12の行政区に分けました。町の建設や軍事、行政の制度もしっかりと整えた国造りをしたのです。
さて、もう一つのソロモンの知恵を表すのがシバの女王の訪問です。シバの女王の国はイエメンか、紅海を隔てたエチオピアだと言われています。彼女は賢者ソロモンの名声を聞き、難問をもって彼を試そうとやってきました。そして、ソロモンの前に出ると、難問をすべてぶつけます。「ソロモンはそのすべてに解答を与えた。王に分からない事、答えられない事は何もなかった」(列王記上10:3)とあります。神殿の豪華さと聞きしに勝るソロモンの知恵に驚いた彼女は、「私に知らされていたことはその半分にも及ばず、お知恵と富はうわさに聞いていたことをはるかに超えています。あなたの臣民はなんと幸せ
なことでしょう。・・あなたの神、主はたたえられますように・・」(同10:7~9)と言
いました。そして、彼女は、多くの金、宝石、香料をソロモンに贈り帰路につきました。
さて、5世紀の中国の医書「小品方」に、上医は国を治し、中医は人を治し、下医は病を治す、というスケールの大きい格言があります。その1、上医はいまだ病まざるものの病を治し、中医は病まんとするものの病を治し、下医はすでに病みたる病を治す。その2、上医の勤勉な医者は、毒さえも薬となして人を助ける。中医の凡庸な医者は、薬を薬として使って人を助ける。下医の怠惰な医者は、薬を毒となして却って病を重篤にする。その3、化学合成薬を使って治療する医師を下医と言い、漢方医のことを中医、そして食事で病気を治す人を上医、つまり食医と言う。つまり、人の命を救う医者にも三種類の人がいるというものです。上医と呼ばれる人は、病気の根本原因を国や社会構造の中に見いだし、そこから抜本的に治す人であり、中医と呼ばれる人は、その人の生活習慣、人間性などから病気の原因を見いだし治療する人、下医と呼ばれる人は、病気の原因は見ず、症状だけ見て対処する人です。例えば現在、日本人は二人に一人がガン患者と言われていますが、その大きな原因の一つは添加物や農薬であり他国に比べても何倍もの有害な商品の輸入が認可されています。だから、上医と言われる医者は、そこから指摘し指導して、国や地域の健康を改善していきます。下医と呼ばれる医者は、「今だけ、金だけ、自分だけ」と対症療法によりその病の症状だけに目をやり、自分の懐具合を見て、高額な薬をどんどん処方しています。ここ数十年で日本の医療費は3~4倍にはね上がり、現在年間に約50兆円もの大金が費やされています。しかし、それでガン患者や病人が減ったかというとそうではなく、逆に何倍も病人が増えています。アメリカのビッグファーマーと呼ばれている大手の薬品会社から莫大な有害添加物や農薬、医療薬が輸入されて、ガンや病が増えていく一方で、ガン保険もアメリカから入ってきて大きな市場を形成しています。まさしく、日本はかっこうの利益を生んでくれる家畜場というわけです。だから、上医と呼ばれる優秀な医者は、そのような政治を暴露し、家畜化している国民を正気に戻し、生活習慣と食べ物から指導し、根本から病人が出ないような社会に変えようと努力している医者です。下医の医者が横行し、医療保険制度を悪用し、多額の金が入るように、無理やりに病名をつけ、薬を何種類も処方し、医療点数を爆上げし、高級車を乗り回し、優雅な暮らしをしている大金持ちの象徴、これぞ「The ドクター」というイメージが定着している現在の風潮は、嘆かわしいことなのです。赤ひげ先生のように病人の家にかけつけ、お金がなかったら大根一本でも大丈夫。逆に貧しく、忙しい人であり、賢明で人格者である人が、医者でなければなりません。なぜならば、その姿はイエス・キリストの御姿だからです。
さて本日は、「上医の信仰」と題名をつけました。父ダビデ王のあとを継いだ当時のソロモンの信仰はこれに近いなと感じたからです。ソロモン王は、その最初に「何事でも願うがよい。あなたに与えよう」と神から言われた時に、自分の長寿や富、敵の命を願いませんでした。むしろ、国民全体の平安と幸せのために、自分にできる最上の事柄を願いました。そのために神に知恵を求めたのです。
最近、ドイツのバイエルンの町フォートの教会で、AIのアバター牧師が説教をしました。興味を持った人も含めて300人が参加しました。牧師不足が深刻になっているドイツ国教会では、AIアバター牧師が引き続き奉仕するそうです。チャットGPTが流行る一方で、人間がますます怠慢化していく時代です。昔のSF映画が、現実になりつつあります。指導者が人間でなくてもいいと、AIにひれ伏す時代がそこまで来ています。政治家も含め、下医の「今だけ、金だけ、自分だけ」の考えを持っている政治家や経済人、社会人や一般人がはびこる一方、それに飽き飽きしている人たちが、人間味が無くても不正がないと思えるような、AIの指導者に頼る気持ちは分かるような気がします。しかし、それは神の創造の意志に反することです。神に創造された人間は、イエス・キリストが最後まで貫かれた「愛」(上医の信仰)を全うすべく、その使命と人生を与えられたのです。