07/07/2026
七夕です。皆さん、願い事は書きましたか。
以前、童謡「たなばたさま」の歌詞についてお話ししました。「ささの葉 さらさら のきばに ゆれる お星さま きらきら きん ぎん 砂子 五しきの たんざく わたしがかいた お星さま きらきら 空から 見てる」。この歌は、短い言葉の連なりで情景が鮮やかに立ち上がり、たいへんリズミカルです。とくに冒頭の「ささの葉さらさら」が素晴らしく、この一言だけで夏の夜に涼しい風が吹き抜けてくるようです。
では、なぜ笹に願い事を書いた短冊を吊すのでしょうか。
笹は古来より邪気を祓うとされ、笹の葉が風に揺れて「さらさら」と響くその清浄な音に、悪いものを払う力があると信じられてきました。笹に短冊を結ぶという行為は、こころを浄めることであり、自分が本当に願っていることが顕われることを意味しています。
「さらさら」という言葉は、自分のこころの奥に眠っている“内なる願い”にそっと目を向けることを表し、「たんざく わたしが書いた」につなげています。「わたし」は自分が書いたんだよーという自己アピールではなく、自分の内なる声を聞いて書いたという意味なのです。
七夕までの一ヶ月、お寺では参拝に来られた方に短冊を書いていただき、竹に吊してもらっています。私も願い事を書こうと、国民の声としていくつか考えてみました。「熊などの野生動物の被害に遭いませんように」「台風などの自然災害が起きませんように」「猛暑になりませんように」「オレオレ詐欺がなくなりますように」。
ところが、これらの願いをすでに実現している場所があることに気がつきました。それが、先日訪れた佐渡島です。
佐渡島には熊などの大型野生動物が生息していません。台風の直撃もほとんどなく、豪雪地帯でもなく、周囲が海のため猛暑になりにくい。詐欺に遭う危険がなく、代わりにトキが空を舞っています。自然の恵みが豊かで、水がきれい。農作物も魚も豊富にとれ、歴史と文化が息づき、お祭りがたくさん行われている。交通渋滞もない。まさにこの世の楽園のような場所です。
そこで、私の内なる願いをひとつ追加しました。「もう一度、佐渡に行けますように」
次回の写経と法話の会は、8月9日(日)午後3時からです。ご参加ください。