28/01/2024
「遊女ラハブ」
ヨシュア記2章【旧約聖書339頁/第3版370頁】
1)ラハブと斥候 ヨシュア2:1
2:1ヌンの子ヨシュアは、シティムからひそかにふたりの者を斥候として遣わして、言った。「行って、あの地とエリコを偵察しなさい。」彼らは行って、ラハブという名の遊女の家に入り、そこに泊まった。
今まさに、イスラエルの民がヨルダン川を渡ってエリコに攻めの登ろうとしていました。シティムは40年前、イスラエルの民がモアブの娘たちに誘惑され、偶像礼拝をして2万4千人が神に打たれて死んだ町です(民25:9)。ヨルダン川を挟んだシティムの向かい側がエリコの町でした。
このエリコの町にラハブと言う遊女が住んでいました。ラハブの家はエリコの城壁の中に建て込まれていました。ラハブは遊女とありますが、斥候を亜麻の茎の中に隠しているので、亜麻布を織りながら遊女の仕事をしていたのかも知れません。ある注解者は、ラハブの家は宿屋だったのではと言う人もいるので、少なくとも専業の遊女ではなかったようです。
ラハブは、イスラエルの民が必ずこのエリコの町を滅ぼすことを知っていました。それは、イスラエルの神が紅海で奇跡を行い、二人の王シオンとオグを聖絶されたこと(民21章)を聞いていたからです。エリコの住民はみな恐れおののいていました。
2)ラハブの信仰告白 ヨシュア2:11
2:11私たちは、それを聞いたとき、あなたがたのために、心がしなえて、もうだれにも、勇気がなくなってしまいました。あなたがたの神、主は、上は天、下は地において神であられるからです。
ラハブは聖絶される偶像礼拝の民の中にいました。このままではエリコの住民と一緒に滅ぼされることが分かっていました。エリコの町の人たちは、自分たちは滅びるとパニックになっていました。しかしラハブは、恐れると同時に、イスラエルの神こそ真の神であることを信じていました。
ラハブはどうしたら助かるか色々考えたことでしょう。斥候が来るはずだから、その斥候を自分の家に招いて隠すことが出来れば、その恩返しに助けてもらえるかも知れない。問題はどうやって斥候と会い、自分の家に迎え入れるかと言う事でした。ラハブはこの事を神様に祈ったことでしょう。その願いに応えて、神様は斥候をラハブの家に導びかれます。
「信仰によって、遊女ラハブは、偵察に来た人たちを穏やかに受け入れたので、不従順な人たちといっしょに滅びることを免れました」(ヘブ11:31)。 聖書の神様は、信じる者と共に働かれる神様です。恐れる者と共にではなく、神は必ず救って下さると信頼する者と共にいて下さる神様です。
3)ラハブの願い ヨシュア2:12,13
2:12 どうか、私があなたがたに真実を尽くしたように、あなたがたもまた私の父の家に真実を尽くすと、今、主にかけて私に誓ってください。そして、私に確かな証拠を下さい。2:13私の父、母、兄弟、姉妹、また、すべて彼らに属する者を生かし、私たちのいのちを死から救い出してください。」
ここでラハブは「私があなたがたに真実を尽くしたように」と言っています。しかし、実際は斥候をかくまうために嘘をついているのです。この事について宗教改革者のカルヴァンは、「神は、スパイが助けられることを望みつつも、うそによって保護されたことをよしとはされない」と割り切っています。第二次大戦中、多くのユダヤ人がナチの目を逃れ、善意の信仰者たちの多くの嘘によってかくまわれたことをどう見るのか、一筋縄ではいかない問題です。
ラハブは自分ひとりが救われる事を願ったのではありませんでした。家族全員の救いを願っています。両親、兄弟姉妹の他、すべて彼らに属する者とありますから、少なくとも2~30人はいた思われます。地震で崩れた瓦礫の中を無事に連れ出すのは大変なことだったと思われますが、「斥候になったその若者たちは、行って、ラハブとその父、母、兄弟、そのほか彼女に属するすべての者を連れ出し、また、彼女の親族をみな連れ出して、イスラエルの宿営の外にとどめておいた」(6:23)。こうして、全員救われたのでした。
4)ラハブとは ヨシュア2:4,5
この勇敢なラハブとは一体誰なのでしょうか?系図を見てみると、ラハブは、ルツと結婚したボアズのお母さんになります。ラハブはサルモンと言う人と結婚し、ボアズを生んでいます。遊女ラハブはイエス様の先祖になるのです。 ユダヤ教のあるラビは、ラハブは4人の美人のひとりだと言っているそうです。4人の内のひとりはバテシバでしょうが、後のふたりはだれでしょう?ラハブは美人だっただけでなく、とても勇敢で、信仰深く、知恵の働く人でした。斥候が来たことを知った町の役人とのやりとりからもその事が分かります。
2:4ところが、この女はそのふたりの人をかくまって、こう言った。「その人たちは私のところに来ました。しかし、私はその人たちがどこから来たのか知りませんでした。2:5その人たちは、暗くなって、門が閉じられるころ、出て行きました。その人たちがどこへ行ったのか存じません。急いで彼らのあとを追ってごらんなさい。追いつけるでしょう。」
ここで、町の役人はラハブの家に押し入っていません。この当時の習慣として、家主の許可なく家に入ることは許されなかったようです。ラハブの巧妙な言葉によって、斥候は命拾いをします。この後、二人の斥候はエリコの城壁から綱でつり降ろされます。窓には斥候が渡した赤い布が目印として結びつけられました。遊女ラハブは信じただけでなく、神様に大きく期待しました。そして同時に賢く行動しました。今年の教会の目標は「神の恵みを大きく求めよう」です。ラハブのように、信じて、神様の恵みを大きく期待しましょう。神様は必ず、私たちの信仰に応えて素晴らしい事をし下さると信じます。
「遊女ラハブ」 ヨシュア記2章【1)ラハブと斥候 ヨシュア2:12:1ヌンの子ヨシュアは、シティムからひそかにふたりの者を斥候として遣わして、言った。「行って、あの地とエリコを偵察しなさい。」彼らは行って、....