25/03/2026
藤枝ライオンズクラブ 演目「禅とAI」
坐禅30分と
一つ法話をさせて頂きました。
坐禅30分と
一つ法話をさせて頂きました。
反省は、ゆっくり話せなかった。
しかし、勉強する機会を頂き
感謝申し上げます(^-^)
演目「禅とAI」
えー、本日はお参りありがとうございます。堅い話は置いといて、今日は世の中の“便利”の話を、少し笑いも入れながら、
流れるように一席、させていただきます。
ライオンズクラブ様から坐禅したいとお話を頂き、せっかくだから「何か話して」と言われまして。こういう時、こちらもせめて題材が欲しい。「すみません、題目だけでもください」ってお願いしたら、返ってきたのが――「禅とAI」。……無茶ぶりが過ぎる。でもね、こういう無茶ぶりはチャンスだと思って、頑張ってみます。
最近、皆さん。困ったことがあって不安を抱えたとき、
どうします?
昔はね、「誰かに聞く」「本を見る」だったんです。今は、まずGoogle先生で検索。あとはAIに聞く。
私は親しみを込めて、AIを「チャッピー」って呼んでいます。
活用している方いますか?
あれ、すごいですよ。
聞いたらすぐ返ってくる。しかも丁寧。
親切。そして、やさしい。こっちがちょっと弱ってると、ちゃんと言うんです。「あなたは頑張っています」って。
……危ないですね。
あれを毎日浴びてると、人間、調子に乗ります。
「俺って頑張ってるんだな」って。
だけど頑張ってるのは、スマホの充電だけって日もあります。
私たちの方も、同じ勢いで回復できたら助かるんですが。
で、夜。不安を抱えたまま
布団に入って、電気を消して、
「さぁ寝よう」って時に限って、心が騒がしい。
「明日のこと」「来月のこと」「あの時のこと」
心が勝手に走り出す。
体は布団にあるのに、心だけ高速道路。
しかも料金所が開きっぱなし。思考が止まらない。
そこでスマホを開く。調べる。読む。見る。ついでにニュース。ついでに動画。ついでにコメント欄。気づいたら一時間。
不安はどうなったか。増えてる。
目だけ乾いてる。肩も凝ってる。
安心したのは、“明日の天気”くらい。
便利なものってのはね、道具としてはありがたい。
でも、こっちが“使う”つもりで、いつの間にか“使われてる”って
ことがある。スマホに使われる。情報に使われる。
心が引っ張られる。だから疲れるんです。
そこで禅の話なんです。
この言葉についての由来ですが、こんな話が伝わっております。
昔、えらい和尚さんが弟子を5人連れて、夜道を歩いていた。
暗いから提灯を灯して、ぞろぞろ歩いていたんです。
ところが途中でふっと、提灯が消えた。真っ暗。前も見えない。横も見えない。上も見えない。真っ暗を想像して目を閉じてください。
そこで和尚さん、弟子たちに聞いたそうです。
「さあ、どうする?」
その中で一人だけ、ぽつっと言った。「看却下」
つまりね、どんな暗闇でも、
足元をしっかり見て歩けば大丈夫です、と。
昔の禅の坊さんも、私らと同じで、頭の中が忙しいんです。
あれこれ考えて、答えを探しに走り出す。師匠から見ると、
もう心がどっか行っている。
そこで師匠が言うわけです。
「おい、看却下!」
要するに、
「上ばっか見上げて探すな。まず下見ろ。今の足元だ」って。
……今で言うと、「おい、スマホ置け!」だいたい同じ意味です。
これ、いい言葉ですよ。先が見えない時ほど、先ばっかり探しに行く。でも禅は、まず足元。今の自分の呼吸、今の自分の心、今の自分の一歩。
で、さっきのAIの話に戻るんですが。AIって便利ですよね。
だからこそ、答えが欲しくて、すぐ開いちゃう。
でもね、答えが増えるほど、心が静かになるかというと、
必ずしもそうじゃない。情報は“足し算”になりやすい。
ちょっと想像してください。
料理でもね、何でもかんでも味を足すと、
わけが分からなくなる。
醤油足して、
ソース足して、
マヨネーズ足して、
ケチャップ足して……
「何味ですか?」って聞かれて、本人が答えられない。
心も同じで、言葉や情報を足しすぎると、
味が分からなくなるんです。
そこで、精進料理の話にもつながります。
皆さん、今日のお弁当食べました?
精進料理って、たまに言われるんです。
「薄い」「肉がない」「魚がない」
つまり楽しみがないって……言いたいことは分かります。
でも精進料理ってね、足し算じゃなくて
引き算で味わう料理なんです。
余計なものが少ないから、
大根の甘さとか、豆腐の香りとか、胡麻のコクとか、
そういうものが、はっきり分かる。
つまり、精進料理も禅も同じで、
「今あるものを、ちゃんと味わう」ってことなんです。
不安の時って、だいたい「無いもの」を数え始めるでしょ。
「これが足りない」「あれが足りない」「まだ足りない」
足りない、足りないって数え始めると、心はずっと落ち着かない。
「無いもの」を数える前に、まず「あるもの」を確かめる。
人生の不安も似てます。
遠い先の答えを、いきなり全部欲しがると、余計に苦しくなる。
まず“今できる一歩”それが禅のやり方です。
だいたい今日の話のまとめです。
不安は、だいたい「無いもの」を数え始めた時に大きくなる。
禅は、「看却下」―足元を見る。
AIは便利、でも使われない。
精進料理と同じで、引き算で味わう。
さてさて、今日の話がよく分からなかった方。
それは私の話が悪いのでございます。
その時は……チャッピーに相談してください。
ご清聴ありがとうございました。